ビタミン・ミネラルの過剰症について

カロチン類の過剰症について

ベータカロテン(ビタミンA)に、過剰症があるとホームページに記載されていますが、同じカロテノイド類のアスタキサンチンリコピンルテインなども同様な過剰症が診られるのでしょうか。確認させてください。

カロチン類の過剰症についての回答です

まず、ビタミンA(レチノール酸)の過剰症についてです。ビタミンAは、体内の脂肪組織に蓄積され、抗酸化作用や細胞分裂に使われていきます。この蓄積量が、限界値を超え続けることによって、頭痛や眩暈、吐き気などに始まる過剰症が発現します。この時点で摂取を中断すれば、数日間休むことにより、症状は快癒します。(進行すると、重篤なレチノール酸過剰症に移行します)しかしこれは、100,000IU(摂取限度の倍)を、数年に亘って摂り続けて、初めて出るかどうかというものです。
主に、医療現場で必要に迫られて、大量投与治療を行なう際の「副作用」という形で現れるものですから、通常の生活を送っている限り、摂取目安を守る事と重ね摂りに気をつけさえすれば、心配する必要は、殆ど無いと言って良いでしょう。
ベータカロチンは、体内で必要量がビタミンA(レチノール)に変換され、ビタミンAとして使われますが、ルテインアスタキサンチンリコピンは、ビタミンA群ではあるものの、キサントフィル類に分類され、ビタミンAには変換されません。キサントフィル類は、細胞膜に蓄積されますので、長期間の大量摂取により、皮膚の黄変が発現する場合がありますが、それ以外、現時点で過剰症の報告はありません。余談ですが、アルファカロチン・ガンマカロチン・デルタカロチンは、レチノールには変換されないので、過剰症はありません。